ひどく暗い瞳をしてると思った。
笑っていても、どこか哀しそうに見えた。
彼女はきっと優しすぎるから、だからそんなに哀しく笑うんだろうと。
ただなんとなく、そう思って
いつの間にか、彼女のことが気になりだして
気付かない内に、俺の思考の大半は彼女で埋め尽くされていた。
「は冬は好き?」
「…うーん、あんまり好きじゃない。」
「なんで?」
「…哀しくなるでしょ?花が少なくて、音が小さくて、空気が冷たくて。」
「…そ、っか?」
「寂しがりなのかな、私。」
くすりと笑った彼女の瞳が、暗かった。
「…そっか。」
「え?」
「ううん、わかったんだ。」
「何が?」
彼女の瞳が暗いことが、こんなにも気になる理由が。
もう少し彼女の瞳が曇ったら、今以上に曇ってしまったら消えてしまいそうな気がして
それが怖くて、俺は彼女に少しでも幸せを与えたいんだ。
ああ、いつの間にかこんなにも好きになってしまった。
「ねぇ、。」
「ん、なぁに?」
「もしも、が下を向いたら、俺は上を向いて光を探すから。」
「そんで、俺が見た光をに分けてあげるから。」
「、うん。」
「だからさ、もうそんな風に哀しく笑わないで。」
きっと彼女の心にはポッカリ穴が空いていて、
そこからすきま風が沢山入ってしまって、必要以上にあたたかさを求めてしまうんだ。
だったらその穴を俺が埋めてあげたい。
俺が彼女の一部になれたら、彼女が俺の一部になったら、
きっとこんなにも焦がれたりなんて、しない。
(愛してる、こんなにも必要としてる)
きみの手を引けるのは、